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遺留分(いりゅうぶん)とは

本来、自分の財産は遺言書によって自由に処分することができます。
しかし、すべて自由に処分できると残された相続人の生活の安定や利益が侵害されます。
そこで、被相続人(亡くなられた方)の財産の処分の自由と相続人の利益の確保の観点から、特定の相続人に被相続人の財産を民法により遺留分制度として保障されています
遺留分が保障される相続人は誰か?
民法では兄弟姉妹以外の相続人を遺留分権利者としています。つまり、配偶者・子供・その代襲相続人(被相続人にとって孫にあたる者)また、直系尊属は遺留分が保障されます。
なお、胎児は相続について既に生まれたものとみなされるので遺留分が保障されます。
しかし、相続欠格者、相続人の排除を受けた者、相続放棄をした者は遺留分が保障されません。
遺留分の割合は?
1 直系尊属のみが相続人の場合
被相続人の財産の3分の1
2 それ以外の場合
被相続人の財産の2分の1
遺留分権利者が複数いる場合は、この遺留分割合に遺留分権利者の法定相続分割合を乗じた割合が遺留分割合となります。
具体的な遺留分の割合
1 相続人が配偶者と子供が相続人の場合
(子供が1人の場合)
子供は、1/2(法定相続分(民法第900条第1号))×1/2(民法第1028条第2号)=4分の1が遺留分になります。
配偶者は、1/2(法定相続分(民法第900条第1号))×1/2=4分の1が遺留分になります。
(子供が2人の場合)
子供は、1/2(民法第900条第1号)×1/2(民法第900条第4号)×1/2=8分の1が遺留分になります。
配偶者は、1/2×1/2=4分の1が遺留分になります。
2 相続人が子供のみの場合
子供が1人の場合、2分の1が遺留分になります。
子供が2人の場合、1/2×1/2=4分の1が遺留分になります。
3 相続人が直系尊属のみの場合
直系尊属が1人の場合、3分の1(民法第1028条第1号)が遺留分になります。
直系尊属が2人の場合、1/2×1/3=6分の1が遺留分になります。
4 相続人が配偶者と直系尊属(父母)の場合
(直系尊属が1人の場合)
直系尊属は、1/3×1/2=6分の1が遺留分になります。
配偶者は、2/3×1/2=3分の1が遺留分になります。
5 相続人が配偶者のみの場合
配偶者は、2分の1が遺留分になります。
6 相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合
配偶者は、2分の1が遺留分になります。
兄弟姉妹には、遺留分がありません。

遺留分の範囲を超えた内容の遺言を作成した場合、どうなるのか?
遺留分を侵害する遺言書を作成することも可能です。遺留分の侵害を主張されなければ遺言は有効なものとして取り扱われます。

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